なぜ育てにくい世の中なのか?

人間の文明は、二足歩行となり手足を機能的に使えることで脳を発達させ進化してきました。

それと引き換えに出産は難しくなり、生まれた子も自立歩行できるまで1年を要するようになりました。

人間は、出産〜産後まで誰かの支えを必要とします。

「共同養育」は、太古の昔から人類が獲得してきた手段であり、最も合理的に子育てできる方法です。

戦前(1950年以前)の日本では1次産業が中心であり、妻も家事をしながら家計を支えるのが一般的な時代でした。

女性たちが共同で家庭と育児を担っており、さらに、夫婦間でも世代間でもくらしの中で様々なことを共有できる事が多かった時代でもあります。

戦後(1950年代)、高度経済成長期から第2次産業が発展し、都市化・核家族化・サラリーマン化が進み、「専業主婦」が一般家庭に定着されるようになりました。

核家族化が進行する中でも、以前として両親・親戚・地域の見守りや共同で子どもを育て合う意識が高く、また、子どもも多かったため「共同養育」としての機能がなんとか果たされていた時期といえるでしょう。

経済的に豊かになる代わりに、男女・家族・世代間で共有できるものが失われていき、分断が進行していった時期が、高度経済成長期以降です。

その中で育ってきた子どもたちが、現代の子育て世代になります。

このような流れを背景に、少子化・晩婚化と相まって、男性と女性の働き方に差異がなくなり、父親も共同養育(子育て)や家事の直接の担い手となることが現代のスタンダードになっています。

歴史上、男性がここまで家事・子育てに実践的に関わる時代はなかったのではないかと推測されます。

それでも、実際には、夫婦と社会資源の活用だけではまかないきれず、産後うつ・虐待、その後の小学校〜青年期に続いていく子どもの育てにくさなどが重なって影響を及ぼしていると考えます。

子どもの権利が保障されるのが当たり前の時代となり、子育てに関する情報もたくさんあります。

子どもを取り巻く環境が大切であり、価値あるものとして見直されつつある一方で、思いと現実のギャップに悩むケースが多い、というのが現代です。

歴史的背景を述べていきましたが、育てにくさの解決の要となるものは、常に「暮らし」の中にあります。

共同養育の視点が大切

例えば、
「食事を一緒に作り、共に食べる」こともひとつです。
家族みんなが必要なことを、家族みんなが共有するという意識を、当たり前に生活の中に取り入れていけるといいのかな、と思います。
家庭教育、知恵の伝承、こどもをよくみること…

特に、妊娠中〜子育て時期は、男女の生物学的性差や子どもの発達段階の特徴など、偏りのない知識や適切なケアを受けることも大切ですね。

分断からつながりを取り戻せる要素は、意外に足元にあるのかもしれません。

次回までに、さらに具体策をまとめてみます。

著者

こどもとくらし研究室

栃木県の里山にある助産院です。産後ケア、産前産後養生、出張、宿泊、日帰りを行っています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です